菊地さんは、2017年の秋頃に配車システムでタクシーを利用しました。
そのシステムにより、配車されたタクシーの運転手が飯塚であった。
菊地さんは、自分の身元がわからないようにマスクなどで顔を隠し、会話も行く先を伝えるだけで最小限に抑えていた。
ところが飯塚は声で菊地さんだと気付き、降車時にドアサービスを行い近づきマスク越しに顔を確認している。
自分の運転するタクシーに、憧れの菊地さんが乗り込んできたのは運命的な出会いと一方的に思い込んでしまいストーカーへと変貌してしまったのでしょう。
そして数日後、菊地さんお所属事務所宛に飯塚からメールが届き、そこには「タクシーに乗せた際に、体に電気が走った。自分の家は近くにある。」と書かれていた。
数日後には二度目のメールが届き、「結婚を前提に家族ぐるみの付き合いがしたい。親戚の経営する蕎麦屋に菊地さん家族を招待するので一緒に年越しそばを食べよう。」といった内容だった。
その後も、送迎した際に自宅を把握していることや、菊地さん家族に近づくことを示すメールが続いた。
菊地さんは、この当時のことを自身のブログで「家族全員、恐怖で眠れない日が続き不安な毎日を数ヶ月過ごしていた。」と当時の恐怖を告白している。
その後、飯塚のストーカー行為はエスカレートしていき、菊地さんの自宅付近をうろつき菊地さんに直接話しかけようとしたり、自宅のインターフォンを鳴らすなどの直接的な接触を図るようになってきた。
そしてクリスマスの翌日、飯塚は菊地さんの自宅を訪れインターフォンを何度も鳴らし玄関先で30分近く居座っていた。
菊地さんは恐怖を感じ事務所に連絡、すぐに事務所スタッフが駆けつけ、飯塚にこれ以上菊地さんに近づかないことや引っ越しをすることを求めたところ少しの間ストーカー行為はおさまっていたという。
菊地さんは、1995年に結婚されていますが2012年に離婚しており自宅には母親と長男・長女の3人で暮らしており、家族もストーカーの恐怖で眠れない日々を過ごしていた。
クリスマスの翌日以降、菊地さんは警戒を強め事務所と相談し弁護士や警察に相談し警察から飯塚に警告をしてもらっていた。
ところが3月の事件前に、飯塚はタクシー会社を退職しており菊地さんへのストーカー行為に専念するために仕事を辞めており非常に危険な状態であり、菊地さんはさらに警戒を強めていた。
そして3月31日、飯塚がTwitterに「菊地さんに会いに行く」とつぶやいており、警戒していた菊地さんの所属事務所がそのつぶやきを発見し池袋署に通報、菊地さんの自宅付近をうろついていた飯塚を発見しストーカー規制法違反の容疑で現行犯逮捕する。
逮捕後、池袋署の取り調べで飯塚は「会いに行ったのは間違いない。好意があり色々話がしたかった。」を供述している。
飯塚は4月17日、罰金30万円の略式命令を受けており警察から釈放される際に、菊地さんに二度と近づくことを禁止する命令を出され、その命令に従い「二度と近づきません。」と誓約する。
ところが約2ヶ月後の6月19日午後4時頃から数回にわたり、菊地さんの自宅を訪れインターフォンを鳴らし付きまとい行為を行なった。
菊地さんは17日に飯塚が釈放された連絡をもらい、自宅にいることは危険と判断し別の場所で生活しており飯塚が自宅を訪れた19日には在宅していなかったが、23日に荷物を取りに自宅に戻るとインターフォンの録画履歴に飯塚の姿を確認し池袋署に通報した。
そして翌日の6月24日、池袋署はストーカー規制法違反の容疑で飯塚を逮捕した。
逮捕後の供述で飯塚は、「直接あって謝れば許してもらいたかった。行ってはいけないとわかっていたが、どうしても会いたくなって行ってしまった。」と話している。