沼津女子高生ストーカー殺人事件
事件概要

2000年4月19日午前8時頃、JR沼津駅北口の自転車置場で高校3年生の大嶽万記さん(当時17歳)が、元交際相手の男に全身30カ所以上刺され殺害された。
男は、東京都新宿区在住の無職 平栗秀正(当時27歳)で、平栗は事件当日午後10時頃、神奈川県警に自首してきた。
平栗は大嶽さんと1999年7月頃より交際を始め、2000年3月7日に大嶽さんより別れ話を切り出され、別れを受け入れられずストーカー行為を繰り返していた。
そして事件当日、平栗は沼津駅にて大嶽さんを待ち伏せし、包丁を突き付けながら復縁を迫るが、大嶽さんに拒絶された事に逆上し、全身30カ所以上をも刺し殺害した。

犯行が行われたJR沼津駅北口付近

 

 

 

背景

・事件までの経緯
2人は事件の前年の夏頃に出会い交際に発展し、翌年の3月に別れている。
大嶽さんの友人の話では、平栗と交際中によく殴られていたが、以前の優しかった彼に戻って欲しいと耐えていた期間もあったそうだ。
平栗は大嶽さんに別れを切り出されてから、付き
まといや学校・自宅付近での待ち伏せ、殺すなどの脅迫、連続した電話などのストーカー行為を1ヶ月以上繰り返していた。
大嶽さんは平栗からのストーカー行為を家族や友人に「元彼から殺してやると脅されている。」と相談し、携帯電話の番号を変えていた。
そんな中で事件は起きてしまった。
平栗は大嶽さんが通学に利用する、JR沼津駅北口近くにある自転車置き場で待ち伏せする。
平栗は持参した包丁を持ち脅しながら、大嶽さんにもう一度交際するよう迫る。
大嶽さんはそれを拒否し平栗に「出会わなければよかった。」と言う。
その言葉に逆上した平栗は、脅すために持っていた包丁で大嶽さんの全身を33カ所も刺した。
大嶽さんは口にまで包丁を入れられ、切り裂かれていた。

 

・加害者の過去
平栗は8年前に、交際していた女性を待ち伏せし包丁で刺し重傷を負わせている。
この際は懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けている。
今回も全く同じような事件を起こした事になる。
小学生の頃はバレンタインチョコを一杯もらうほど、明るく人気者であったが、中学に入るとたまにキレやすい一面を見せ、高校は3年時で中退している。
近隣住民の話では、平栗の両親は夫婦喧嘩の絶えなかったそうです。
高校を中退し無職であった平栗と父親が、激しい口論をしていた事もあった。

 

 

 

▪裁判
2004年1月29日、静岡地裁沼津支部は殺人罪などの罪に問われた平栗被告に無期懲役の判決を下した。
判決で裁判長は「精神的に依存していた相手に交際を拒否され、逆上したのは逆恨みであり、残忍な犯行に酌量の余地はない。」と指摘した。
公判で争点になっていた殺意の有無に関しては「力を加減せず突き刺した、傷の状況から確定的な殺害があったことが認められる。」と明確に認めた。
一方、劣悪な成育歴などで性格に偏りが生じ、事件の原因になった事を指摘し「平栗被告のみを責める事は出来ない、人格障害はあるが治療の余地はある。」とし、無期懲役をくだした。