静岡ストーカー殺人事件
事件概要

2016年10月4日午前1時頃、静岡県牧之原市波津のコンビニエンスストア「サークルK牧之原波津店」の店内で、バス運転手の杉山沙織さん(当時32歳)が元交際相手に首や腹を刃物で刺され、病院に搬送されたが約1時間に死亡した。

殺害されたバス運転手 杉山沙織さん(当時32歳)

 

静岡県警牧之原署は、現場のコンビニで自分の腹を刺し自殺を図ろうとした、元交際相手で無職の竹下真(当時41歳)を殺人容疑で逮捕した。
竹下は事件後、病院に搬送され治療を受けていたが、取り調べを行えるぐらい回復した為、逮捕へと踏み切った。
事件当日、杉山さんは「家の前に元カレが立っていて怖いから警察を呼んでください。」と、サークルK牧之原波津店の店内に逃げ込んだ。
コンビニ従業員は、杉山さんを店内のカウンター内にかくまい警察に通報したが、元交際相手である竹下が店内に侵入し、杉山さんを刃物で刺し自殺を図った。
現場からは刃渡り約20cmの包丁が3本見つかっている。
杉山さんはコンビニと同地区の牧之原市波津のアパートで一人暮らししており、ストーカー被害の相談を職場の同僚に話していた。

犯行のあった静岡県牧之原市のコンビニエンスストア サークルK牧之原波津店

 

 

 

背景

杉山さんは2015年6月頃より、竹下と静岡県清水区のアパートにて暮らし始める。
その後、杉山さんは竹下と別れ、牧之原市波津のアパートに転居するが、再びそこで竹下と同棲するようになる。
しかしうまくいかず2016年3月24日、杉山さんは牧之原署に「同棲相手に出て行って欲しいが、家財道具は俺のだ、と言い聞いてくれない。」と相談する。
牧之原署は2人を呼び指導したほか、竹下の両親や杉山さんの職場に協力してもらった結果、3月30日に2人は同署を訪れ「別れる事になった。家財道具は弁護士を通して話し合います。」と告げた。
これによりDV事案ではないことから牧之原署は関与しなくなった。
事実2人は別れており、杉山さんは4月に一旦別の場所に転居しているが、転居後わずか1カ月ほどで、居心地の良さを理由に竹下と同棲していた牧之原のアパートで再び転居している。
同じく場所で暮らすという事は、犯人も住所を把握しているということ、ストーカー被害を受けている人なら、絶対にしてはいけない事だった。
再び同じアパートに戻らなければ、今回の悲劇は起こらなかったかもしれない。
杉山さんは高校時代ソフトボール部で、当時の同級生は「我が道を行くタイプで、芯の強い女の子だった」と評している。
また同じ部の部員には「卒業したら派手なことをしたい。」とこぼす事もあったという。
その言葉通り、杉山さんは高校卒業する後にバイクに目覚め中型二輪免許を取得している。
ツーリングクラブにも所属するようになった。
そこでは出会ったのが竹下であった。
先述の同級生は「2012年11月に友人の結婚式で会った際には、彼氏がいていずれ結婚するかも、と話していた」という。
付き合い始めは良かったが、竹下の束縛がはげしく、ここ数年は別れ話を繰り返していたという。
杉山さんの職場の同僚の男性は「ストーカーで悩んでる、警察やバイク仲間、弁護士を交えて話し合ったと言っていた。」と話した。
杉山さんは年齢が一回り違う竹下について周囲には「オッサンと付き合ってる」と話していた。
2人はバイクや車の話で意気投合したと言っていたが、竹下は車の方が好きでバイクは持っていないとも語っていた。